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2015年4月22日

11才も近くなって来院されました。
一見して骨格性の反対咬合です。
0137 2000 11 07ts 初診 前.JPG0137 2000 11 07ts 初診 右.JPG

反対咬合治療は成長発育のピーク前に十分なことをする、これが重要です。
ピークを過ぎても治療はできますが、効果が出にくくなります。

成長パターンは個人毎に異なりますので、身長等の変化データは欠かせません。

検査し数値でみると、やはり下顎骨はかなり大、でも上顎骨の大きさは見た目よりありました。歯の大きさは大きめ。6才臼歯の前後位置ズレは大です。
身長はそう大きくないタイプですが、伸び方はまだ成長のピーク前です。

治療はまずは小さな上顎の拡大、続いて前方牽引です。
一番強力なタイプの前方牽引装置を使い、前歯から前方牽引します。上顎骨そのものを大きくするのです。
これら装置は子供用として従来開発されてきたもので信頼性は十分です。
0137 2001 09 01ts 側貌プロトset.jpg

前方牽引を開始してから2ヶ月程で上の前歯が下の前歯より前方に出ました(下左写真)。
まだ十分ではないのでさらに8ヶ月ほど続けました(下右写真)。
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反対咬合の治療は、大変な点もありますが、皆さん頑張る方ばかりです。ご本人とご家庭が、治したいという強い希望をお持ちだからと思います。

本ケースでも殆ど予約変更も無く、お願いした装置の使用にも熱心に取り組んでいただきました。お礼申し上げます。

永久歯の揃うのを待ち、成長のピークを過ぎた頃、Ⅱ期治療開始です。
下写真は終了時です。良い状態です。お疲れ様でした。
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反対咬合のケースは殆どは、骨格的な問題が大きく、前方牽引などしっかりした治療が必要な場合が多いのです。それも早い内に。

しかし、骨格的な問題が少なく、単期間で治療できるケースもあります。
このケースはそうした場合です。
0122 2000 07 12fi 初診 前.JPG

骨格的な問題を伴ったケースであるかどうかは、見た目だけでは分かりません。他の矯正治療と同じく、検査により骨格や歯、成長状態のデータを元に診断する必要があります。

この方も検査結果から、骨格的な問題が少ない、と判断できました。と言って放置して治るものではありません。

Ⅰ期治療として、下顎の上顎に対する位置を改善し、早期に正常な関係に近づける必要があります。やはりフレンケル装置が良いでしょう。この装置は、顎の自然な関係改善を促進し、成長のバランスをとってくれます。家でのみ使います。
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使用約4ヶ月で永久前歯が生え始め、下左写真のように改善しました。下右写真はその更に半年後。きれいな治り方です。

 お母様にも良くご協力頂きました。ご本人も年齢の割に良く理解して頂き、感謝しています。

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後は観察。Ⅱ期治療は多分要らないでしょう

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かたやま矯正歯科 院長 片山 綱

かたやま矯正歯科
http://www.hanarabi.biz/
院長 片山 綱

【略歴】
静岡高校 卒業
早稲田大学卒業
国家公務員上級職試から公的機関
東北歯科大学 入学
神奈川歯科大学大学院 修了
鎌田歯科矯正クリニック勤務

【所属団体・資格】
歯学博士(矯正歯科学臨床)
日本矯正歯科学会認定医
Tweed Course (USA)修了
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
日本口蓋裂学会 他
読売ウィークリー(読売新聞社)特集「頼れる矯正歯科医650人」に選ばれる(2008年)

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