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2016年5月25日

先日、子どもの歯並びが気になる、とのご相談がありました。6才です。

他院で相談したところ、お口の中に入れるプラスチックの装置で治しましょうと言われたそうです。

お口を見せて頂きました。

反対咬合だけでなく、交叉咬合(この場合、左上の大臼歯が左下の大臼歯より内側に入ってしまっています。右の大臼歯は正常です。)もあります。

そして、骨格性の反対咬合の基準とされる、
下の乳犬歯が上より外側、上下の前歯の先端をきちんと合わせられない、
などの症状もはっきりあります。

6才でこの症状です。見た目だけでも、骨格性の不正咬合を疑うべき症例であることは明確です。

骨格性の反対咬合、交叉咬合では、きちんと骨格と歯のデータを取り、その程度に応じて拡大装置、前方牽引装置などを使用しなければ治りません。


お口の中に入れるプラスチックの装置は、軽い程度の症状でだけ効果を発揮します。
程度の見極めは、きちんと検査をしなければわかりません。

反対咬合、交叉咬合の症例には、やはり拡大装置、前方牽引装置等をしっかり使う必要があります。そういくつも治療方法があるわけでは無いのです。


その点をお母様に、しっかりご説明したつもりなのですが、あまりご理解頂けなかったかも知れません。
「今はいくつも治療方法があるようですね。」なんて言われてました。

装置各々には、当然ながら適応範囲があります。反対かつ交叉咬合の子どもを、プラスチックの装置だけで治すのは無理です。


まだ6才ですから、しばらくは大丈夫ですが、自然に治ることは期待できません。
せめて8-9才までにはきちんとした治療を開始したいものです。心配です。


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かたやま矯正歯科 院長 片山 綱

かたやま矯正歯科
http://www.hanarabi.biz/
院長 片山 綱

【略歴】
静岡高校 卒業
早稲田大学卒業
国家公務員上級職試から公的機関
東北歯科大学 入学
神奈川歯科大学大学院 修了
鎌田歯科矯正クリニック勤務

【所属団体・資格】
歯学博士(矯正歯科学臨床)
日本矯正歯科学会認定医
Tweed Course (USA)修了
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
日本口蓋裂学会 他
読売ウィークリー(読売新聞社)特集「頼れる矯正歯科医650人」に選ばれる(2008年)

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