ある相談: 切端咬合、背景に下顎前突、開咬傾向 中学生
中学生の男子、かなり大柄ですが、まだ少し成長しているようです。
(切端咬合とは、口を閉じた場合、上下の前歯が重なり合わず、先端で当たる場合、を言います。)
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このケースは、切端咬合という見かけの後ろに、
骨格性の反対咬合傾向と、骨格性の開咬傾向が存在しているケースです。
お母様は、切端咬合が一番気になるようでした。
そして装置を付け、ワイヤを入れれば治るもの、と簡単に考えておられたようです。
しかし、切端咬合を起こしている原因の、骨格性の反対、開咬の症状はかなりやっかいです。
このケースもただワイヤを入れたらそのまま反対咬合に移行し、抜歯ケースか外科併用の矯正を考えるしか無くなるでしょう。
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まずは、きちんとした検査が必要です。
その結果を踏まえて、
抜歯ケースとして治療するか。
拡大、前方牽引を行って、前歯の重なり合う状態を確保し、非抜歯をねらうか。
この方法は、中学生でも過去に例があります。
外科手術を併用した矯正治療とするか。
でしょう。
どの方法も慎重にデータを評価し、選択、実行しなければなりません。ただ状態から見て、外科併用はおそらく選択しなくて済むでしょう。
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以上を説明しました。お母様はちょっと落胆されたようです。
しかし本人の症状とその治療は、説明したとおりです。
大人になるまで待って矯正治療をするより、中学生の今、矯正治療を開始する方が、治療上の困難も少なく、結果もはっきり良いと思われます。
そういう意味では、もう待ったなしです。良い選択をされることを願います。