症例: 交叉咬合 大人 (非抜歯ケース) 静岡市
しばらくぶりに症例紹介です。
交叉咬合のケースはそう多くは無いのですが、やはり時々おられます。一見ちゃんと並んでいるように見える場合も多くあります。
この方もご自分ではそう悪い歯並びとは思わなかった、とおっしゃいます。
でも、見た目の歯の凸凹がちょっと気になり、さらに顎の具合が良くない、等の自覚がありました。
それで矯正歯科を受診したそうです。
初診時、交叉咬合(この場合は、左の第二小臼歯から第一、第二大臼歯まで下の歯より内側に入っています)です。
交叉咬合は、複雑かつ非対称なかみ合わせのため、口腔周囲の筋肉、神経機構への負担が大きく、左右のバランスも崩れています。
従って長期的には、顎の具合が良くない、つまり顎関節症のような症状が出るのは大いにあり得ます。歯そのものにも過重負担がかかります。
できるだけ早めに治しておきたい不正咬合です。
(もちろん、他の不正咬合の治療が遅くても良い、と言う意味ではありません。)
検査データからは、歯の大きさはやや大ですが、骨の大きさにゆとりがあり、少しの拡大で、非抜歯が良さそうです。
但し、上下のほぼ全歯の根(骨の中に埋まっている部分)がやや短い状態でした。
歯周病の症状は無く、矯正治療不可能ではありませんが、手早く終了させる必要があります。
治療開始、まず上顎をQHで少し拡大します。
そのあとマルチブラケット開始。この時点での写真では左側の上下奥歯のあたり方が、まだ反対であることがよくわかります。
QH拡大3ヶ月、マルチブラケットを付けて1年3ヶ月、で終了しました。できるだけ短期治療の目標は達成です。
上下の歯のかみ合わせは、劇的に改善しています。見た目も良い状態です。大変喜んでくださいました。
あとは保定です。