出っ歯さんの子、転んで前歯がめり込んだ 矯正治療できるか
典型的な出っ歯さんは上の前歯が前に飛び出ています。赤塚不二夫風に言えば「イヤミの出っ歯さん」という状態です。
見た目が気になり、治療を希望されるお母様も多いのですが、そのままにしてしまうケースも少なくありません。
子供は日常、たまたま自転車や友達とぶつかったり、あるいは何かのはずみで転ぶことも少なくありません。
その時、こうした出っ歯さんは前歯が地面にぶつかり、折れないまでも、口の中にめり込んだりすることが結構あります。
まずは口腔外科で応急手当をしてもらいます。整復、固定、投薬等です。これで一応見た目の現状回復はできるでしょう。
但し、その後で矯正治療をしようとする場合、見過ごせない問題が残ります。
元の位置に戻した歯が、周囲の骨と癒着を起こしている場合が多いのです。
この場合、骨に癒着した歯は矯正治療では動きません。外科的処置で位置を変えるか、抜いてしまうしか無いのです。普通の矯正治療計画とは全く違う計画となります。
治療完了時の様子にも影響するでしょう。
たまにこうした相談を受ける事があります。やはりその歯が動かない可能性があること、そこから生ずる問題をお話します。
もっとも、治療が全く不可能と言うことではありません。試してみたら歯が動いたこともあります。動かないなりに別の治療計画もあり得ます。