子どもの矯正治療
1期治療と2期治療とは

お子さんの歯並びの矯正治療には、1期治療と2期治療という2つのステージがあります。
1期治療(主に小学生まで)

乳歯と永久歯が混在する時期に行います。
顎の成長をコントロールしたり、歯がきれいに並ぶスペースを作るのが目的です。
難しい症例もこの時期に治療すると、将来的な抜歯や外科手術の回避が期待できます。
2期治療(永久歯が生え揃ってから、主に12~13歳以降)

永久歯(親知らず除く)がすべて生え揃った後に行う、本格的な歯列矯正です。
多くの場合、中学生頃が開始の目安です。
1期治療のメリット
- お子さんの成長に合わせて歯並びや顎の発育を整えられます。
- 将来的な矯正負担(抜歯や手術)のリスクが軽減します。
- 「1期だけ」「2期だけ」で済むケース、「1期から2期に進む」ケースなど、治療内容やタイミングはお子さんごとに異なります。
当院でのご案内
当院では、初診カウンセリング時に現在の状態や今後の流れを丁寧にご説明します。
「いつ始めたらいい?」「どの方法がうちの子に合う?」など、不安や疑問もお気軽にご相談ください。
1期治療で使う主な装置

1期治療では、お子さんの負担やライフスタイルに配慮し、取り外し可能な装置を中心に使用しています。症例により2~3種類を組み合わせて使うこともあります。
装置の選択・設計も専門性が必要となります。
当院では多様な矯正装置に対応しており、患者さん一人ひとりの症状やご希望に合わせたご提案が可能です。装置の種類が豊富な分、治療の内容が患者さんや術者によって大きく変わってくるのが1期治療の特徴と言えるかもしれません。また、扱う装置が多くなる程、術者の知識や経験が必要となってきます。大事なことは、「どの装置を用いて何をするのか」をきちんと理解している事であると当院では考えています。矯正歯科専門医院としてより多くの症例やライフスタイルに対応できることは、当院の特徴の一つと考えています。
主な矯正装置の種類(一例)

●プレート型拡大装置(エクスパンション・プレート等)
歯列を広げてスペースをつくる着脱式の装置です。お子さん自身で取り外し可能なので、比較的負担が少ないのが特長です。

●開口プレート
上の前歯をバネで前方に押し出す装置で、軽度の反対咬合(受け口)などの治療に使います。

●シャーミープレート
奥歯を後ろへ動かすことに特化したプレート型装置です。

●タングガード
主に舌癖(舌で前歯を押すクセ)による不正咬合の予防・改善などに用います。当院ではプレートにつけることが多いです。

●ワイヤー型拡大装置(クワッドヘリックス・バイヘリックス)/p>
バネ状のワイヤーを使用し、歯列を広げます。奥歯の裏側に固定するため、着脱できる装置よりも長時間作用します。

●急速拡大装置(RPE)
歯列・顎の幅を短期間で広げることができる固定式の装置です。特に骨格的な改善に効果的です。

●バイオネーター
下顎の前方成長を促す装置で、特に出っ歯の治療で用いられることが多いです。口の筋肉の力を利用するので、機能的矯正装置と呼ばれます。

●フレンケル装置
頬や唇の筋肉の動きを活用して歯並び・顎の発育を改善する装置です。

●上顎前方牽引装置
反対咬合(受け口)の治療に使用する装置で、上顎を前に引っ張ることで前方への成長を促します。ご自宅でご使用いただきます。

●既製品の小児用マウスピース
歯を並べる以外に、お口周りの筋機能トレーニング効果もあります。歯型取りが不要で、患者さんも扱いやすいのが特徴です。

●マルチブラケット装置(2×4/2×6)
固定式のワイヤー矯正装置装置です。1期治療では部分的に装着する事があります。
2期治療で使う装置について

2期治療は大人向けの矯正装置をメインで用い、マウスピース矯正やマルチブラケット矯正など、より本格的な歯列矯正に進みます。
1期治療を行っていた場合、治療がスムーズに進むので、治療期間が短いケースも多くあります。
お子さんの矯正でお悩みの方へ

「治療するか迷っている」「いつ始めたらいい?」
どんな些細な疑問でも、まずはお気軽にご相談ください。初診時に現状を確認し、治療についてご説明させていただきます。