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2015年7月30日

今日は、夏休み恒例、静岡市主催の矯正相談会でした。院長も毎年相談員として出ています。

今年も、参加者が減少しているとは聞いていましたが、午後になり、相談にあずかった人数が7名。二時間で終了しました。
ただ、意識の高い方および、程度の強い不正咬合の方ばかりだったと思います。
どの方も、ぜひ矯正治療を受けて良い歯ならびになって頂きたい、と思う症状でした。

参加人数が減少している理由はおそらくですが、矯正治療に関心の薄い人が減り、真剣な方ばかりとなったから、と思います。
もちろんそれ以外に、ネット等で矯正治療の情報が行き渡ったと言うこともあるかもしれません。

ともかくも、直接、矯正医と話をして得られる情報は、ネット巡りで得る情報に比べれば、多く、かつ的確です。

それでも15分から20分しかありませんし、検査データは全くありませんので矯正治療の説明としてはやはり入り口に過ぎません。歯を抜くかどうかの答も含め推測です。

あとは矯正専門医に相談し、できればきちんと検査をしてください。
ここまでやって初めて、現在の不正咬合に対するきちんとした治療説明、となります。
矯正治療も医療ですから、検査データなしでは、やはり推測でしかないのです。

2015年7月29日

7月の症例検討会がありました。
場所は静岡市のいつものセミナー室。

今日の中心はある先生の持参した下顎第一大臼歯の先天的欠如例と、
院長の出した下顎第2小臼歯の先天的欠如例。
偶然、先天的な歯の異常の症例でした。

議論のさわりだけちょっと紹介します。専門的過ぎますので、面倒な方は飛ばしてください。

下顎第一大臼歯の先天的欠如例は、同時に過蓋咬合、上顎前突。14才。
このようなケースで下顎の大臼歯が無いのですから、どの矯正医にとっても非常に難しい症例です。
結局、上の小臼歯を二本抜いて、上下の数を合わせ、ゴムで何とか合わせて行く、といった方法しかありません。「何とか」に矯正医にだけわかる言い尽くせないノウハウがあると思ってください。
ともかく出っ歯の程度は相当減少し、ご本人の満足はあるでしょう。

下顎第2小臼歯の先天的欠如例、11才、は、叢生が少なく、もし欠如が無ければ非抜歯かつ難しい症例ではありません。
欠如があるため、かなり難しくなり、しかも上の小臼歯を抜く抜歯症例になりました。
つまり今、第二大臼歯が出てくる前に乳歯(下の小臼歯が欠如)を抜き、第二大臼歯のでてくる力で第一大臼歯を前に押します。これで欠如部のスペースが半分くらいになり、
治療が相当楽になります。X線写真を見ながらタイミングを計ります。
とはいえ、本当に第一大臼歯が押されて前進するか、わかりません。可能性は十分ありますが。

検討会内容のほんの概略です。こんな論議がおよそ3時間くらい続きます。
今回は専門的に過ぎ、申し訳ありませんが、ちょっと紹介させて頂きました。

検討会はいつもこんなふうです。でも矯正治療は、各種データを総合しながらの診断が重要な出発点です。こうした議論が良い治療につながると思えば、疲れも感じません。

この後にビールです。おいしいです。

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かたやま矯正歯科 院長 片山 綱

かたやま矯正歯科
http://www.hanarabi.biz/
院長 片山 綱

【略歴】
静岡高校 卒業
早稲田大学卒業
国家公務員上級職試から公的機関
東北歯科大学 入学
神奈川歯科大学大学院 修了

【所属団体・資格】
歯学博士
日本矯正歯科学会認定医
Tweed Course (USA)修了
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
日本口蓋裂学会 他

医院サイトはこちら
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