ある相談:強度の上顎前突、過蓋咬合 11才
子どもの強度の上顎前突、過蓋咬合の治療は、
通常は、下顎を前に出しながら、かみ合わせを浅くしていく装置を使います。
数種ありますが、使い分けます。
効果としては、まずは歯並びが良くなるのですが、同時に気道が広がり、呼吸がしやすくなる効果もあります。
つまり歯並びを良くすることで呼吸が楽になり、酸素が十分に取り入れられるようになります。
11才は人によりますが、そろそろ身長が大きく伸びるころです。この頃までには治療に入りたいものです。でないと治療効果が上がりにくくなり、難しい治療になりかねません。
先日のご相談では、この状態でもご両親は治療開始をためらっておられました。
理由は以前、呼吸を改善して歯並びを治す、という矯正治療を受けたが、効果が上がらないのでやめた経験があるから、というのです。
呼吸改善は、矯正治療によって気道の大きさに改善が見られるのが前提です。順序が逆です。
始めの料金が安く、道具が簡易だったのが開始した理由のようでした。
何でもそうですが、矯正治療にも近道はありません。専門矯正医としては、データを元に、奇をてらわず、なすべきことを、着実に実行していくのみです。
時間も費用もそれなりにかかりますが、今まで皆様の信頼を得てきた、と感じています。