治療中断し、一年以上経過して治療再開、のケース(大人 叢生)
かなりの叢生、歯が大きく顎骨が小さいので抜歯ケースでした。
順調に開始し、およそ3ヶ月ではみ出ていた上下の犬歯が歯列に入りました。
ところが、上の親知らずが急に前に動き出し、どうしても親知らず抜歯が必要になりました。
そこで上の大臼歯に止めの装置を入れ、かつ、
上下のワイヤを太くして、大臼歯の前方移動を止める曲げを入れ、set。
この状態で、親知らずの抜歯を口腔外科に依頼しました。
ところがここでご家庭の事情で治療中断。
一年半くらいしてから、連絡があり、治療再開することになりました。
問題は、抜歯スペースが残っているかです。
こうした場合、普通は、
抜歯したスペースは、各歯の勝手な動きで埋まってしまい、
もはや、各歯を望む方向に動かすスペースは、無いのが普通です。
ところがこのケースでは、スペースは減少してはいましたがかなり残っていました。
偶然ですが、
親知らず抜歯完了までの期間に備え(せいぜい2ヶ月)、
上下の大臼歯が前に動かないように、二重に工夫してあったことが幸いしました。
しかもそれら装置が一年以上も壊れもせず、生き残っていたことも幸いでした。
一年以上の放置でもなんとか、予定通りに治療出来るわけです。
普通は、こうしたケース(単なる放置)では、予定の治療は出来なくなります。
相当妥協した治療結果になるのが普通です。
このケースはうれしい例外です。