症例: 大人 叢生(やや下顎前突の傾向) 非抜歯 (静岡市)
叢生、上顎の右側切歯が引っ込んでいるのが一番気になり、さらに前歯上下のかみ合わせが甘いのも気になる、ということです。
検査の結果、歯は小さく、顎の骨の大きさは大体OK。そのほかの数字も非抜歯で良さそうです。
上左の第一大臼歯が、前方にありすぎるのでそれを上顎に入れるプレートで後方に移動することから始めました。
約7ヶ月くらいして下右写真のように上左の第一大臼歯が、後方に移動しました。スペースができているのがわかります。
そこからマルチブラケット使用が始まりました。家で使うヘッドギアや上顎のゴムで上左の小臼歯と犬歯をさらに後方に移動し、かつ、下顎前歯にあった歯のねじれなどを除去していきました。
マルチブラケット開始およそ5ヶ月後、全体におよそ並んだ頃、急な話がふってきました。
アメリカの大学に留学が急に決まり、あと3週間で出発だそうです。帰国の時期はわかりません。
全く急な話で慌てました。しかし、本人のためになる話です。協力しなければいけません。
考えた末、やや細めの仕上げワイヤーを使い、あと少し歯の角度、上下の当たり等を改善して装置を外すことにしました。
その場でワイヤーを曲げ、入れました。そして数日後に調整。
院長は、スタンダードエッジワイズ法で鍛えていますので、必要なワイヤーをその場で屈曲製作し、また調節するのは慣れています。
出発の4日前装置を外し、前日にリテーナーをsetし、終了しました。
急な話でしたが、仕上げは十分、上下の奥歯、前歯の咬み合わせも上々です。
結局、マルチブラケット装置を付けてから6ヶ月で矯正治療終了にこぎ着けたわけです。当人の協力は大変に頂きました。
ご本人は、大変喜んでおられました。こちらは大変でした。