矯正相談: 上顎前突、叢生、過蓋咬合 (大人) 非抜歯治療の条件
先日、偶然ですが、不正咬合の種類、程度が、とてもよく似たお二人が相談に見えました。しかもお二人ともできれば歯を抜かずに治療したい、とのご希望です。
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一人目はAさんです。
少しの上顎前突、叢生、過蓋咬合。歯は小さめでしょう。
大臼歯の前後関係もそう悪くありません。ただ顎がいかにも細く、大人ですので、拡大は困難です。
しかし、歯が小さい点は有利です。ある程度、上顎の歯を後退させれば、非抜歯も考え得ると思われ、そのように説明致しました。
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二人目はBさんです。
少しの上顎前突、叢生。しかし歯は大きめでしょう。
大臼歯の前後関係はそう悪くありません。ただし、Aさんと同様、顎がいかにも細くやはり大人ですので拡大は困難です。
歯が大きめに見えることを計算すると、ある程度上顎の歯を後退させても、おそらくすべての歯を収容することは難しい感じです。
こういう場合、無理して非抜歯を考えることもできないでは有りません。しかし矯正治療では結果の見た目が良いことも必要です。
Bさんには、非抜歯も不可能では無さそうだが、
見た目の問題からは、抜歯しての治療を、第一に考えた方が良さそうだ、と説明致しました。
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もちろん、お二人とも、検査の数値によって結論が変わる余地はあります。
相談時は、検査データがまだありませんので、そこはご了解頂いています。
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歯の大きさは、非抜歯、抜歯を考える際、かなりの重要項目です。
しかしそれ以外にも重要項目はあります。
それらを総合して考えます。
非抜歯、抜歯治療の境目は、かなり微妙なところなのです。