子どもの矯正治療(Ⅰ期治療) フレンケル装置の良さ
子どもの上顎前突、過蓋咬合の症例では、よくフレンケル装置を使います。フレンケルは考えた人の名前です。
やや難しい説明になりますが、
フレンケルは機能的矯正装置の一つです。歯列の外側からの頬の圧力、内側からの舌の圧力を排除し、また口腔周囲の筋肉、神経系に働きかけ、下顎の位置を変化させます。
結果として歯列、や顎骨の望ましい成長を加速します。
フレンケルはこれら効果が最も大きい装置の一つです。
見た目は写真の通り、矯正装置の中ではボリュームが大きく、構造が複雑なので作るのに費用もかかります。
第一印象としてはこんな大きくて口に入るのか、と思われるのではないでしょうか。
ところがこの装置は口の中で、唇やほっぺたの内側、舌と歯の間などを絶妙に利用し、すっぽりと収まります。もちろん子どもでも簡単に着脱できます。
使用期間は、目に見える効果が出るのに2から3ヶ月、効果が定着するのに約半年くらいでしょうか。
痛みはもちろん皆無、家でのみの使用で十分な効果をもたらします。
歯に直接はまる部分が無いので、歯列の状態に多少変化があっても、続けて使えます。成長の激しい時期には適しています。
効果が大きいことに加え、この融通性の大きいことが、フレンケルを極めて魅力的な装置にしています。
複雑な構造なので破損率がやや高いのですが、十分修理可能なことが殆どで、作り直しは極めてまれです。耐久性も合格です。
フレンケル装置使用例を示します。かなりの程度の出っ歯さんがこれだけ改善されました。
後は、永久歯が生え揃うのを待ちます。
上の二枚が「before」、下の二枚は「after」です。
実は院長の息子も小学生の時、フレンケルを使いました。
その結果、上顎前突、過蓋咬合は解消され、Ⅱ期治療は不要でした。