あごの骨は上下で成長に差がある

あごの骨の成長には上下で違いがあります。そのため、矯正する症状によって治療をスタートするのに適した時期にも違いがあります。

治療時期について<叢生の場合>
歯並びが凸凹している叢生の場合、上下の骨の大きさを拡げて歯全体を収容しやすくする治療を行うことが多いので、成長期であればあるほど効果的です。そのため、小学生のうちに治療を開始するのが望ましいのですが、スタート時期に関しては、少し広く考えても大丈夫でしょう。

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治療時期について<反対咬合の場合>
反対咬合の場合は、下あごの発達に比較して、上あごの成長が不足している状態が多く見られます。この場合、下あごの成長を抑えながら上あごの成長を促進するように装置を用います。この装置は、きちんと使用した場合には相当な効果を示しますが、上あごの成長が9~10歳ぐらいで終了してしまうため、治療に適した時期を逃してしまうケースもあります。

つまり反対咬合の場合は、ドクター側の装置の選択眼も重要ですが、保護者の側でも、治療開始に適した時期を逃さないことが大切です。具体的には9~10歳頃までに、少なくとも小学生のうちに始めるのが望ましいでしょう。

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治療時期について<上顎前突の場合>
上顎前突の場合には、上あごの成長が良過ぎるケースと、逆に下あごの成長が足りないケースがあります。そこで、個々の状況に合わせて、上あごの成長を抑えたり、あるいは下あごの成長を促進する装置を用いたりします。いずれにしても、自然な成長を利用して、成長のバランスを整えることを重視した矯正装置を適切な時期に使用した場合は、驚くほどの効果があります。

また、第二大臼歯(12歳臼歯とも呼ばれる、前から数えて7番目の永久歯。11~14歳ぐらいの間に生えてくる)が萌え出る前でなければ治療しにくいケースも多くあります。成長期にあるほど効果的ですので、なるべく早期に治療開始したいものです。やはり小学生の頃が望ましいでしょう。

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個人個人の成長差や複合的な症状も把握して対応治療時期について
単一の不正咬合に関して、望ましい治療開始時期の目安を挙げてみましたが、実際の不正咬合は、複数の症状が複合しているケースがほとんどです。そのため、複合した症状に必要な治療を選択し、個人個人の成長発育状態に応じた治療を実施していきます。

また、身長が伸びる時期が一人ひとり違っているように、あごの骨に関しても、成長発育が進む時期や成長スピードといったものには個人差があります。だからこそ、歯の大きさやあごの特徴を測定したり、身長変化データなどを併せたりして、今後の変化・成長具合をしっかりと把握することに努めています。

お子さんの歯並びが心配な保護者の方も、各症状別に示した「治療に適した年齢」を参考に留め、なるべく早い時期に一度ご相談いただくことで、最適な時期を逃さないように注意してあげてください。

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まずはご相談ください

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